2022年もマーケットワン・ジャパンは、お客様と共に日々BtoBマーケティングを起点とした企業変革に取り組んできました。
それは、単なるBtoBマーケティングの企画・実行のサポートに留まりません。
お客様企業内の各ステークホルダーのビジョンや想いをつなぎ、課題の洗い出しやありたい姿を言語化したうえで、具体的な実行策を明確化する取り組みです。
マーケティングだけでなく、営業をはじめとした関連部門を横断的に巻き込みながら、“持続性のある”プロジェクトの運営体制を、クライアントと並走する形で構築しています。
そのような取り組みのなか、当社に蓄積された知見や新たな発見は「インサイト」として同ブログで発信し続けてきました。
今回は、2022年の締めくくりとして、2つのテーマで本年最も読まれた「インサイト」をまとめています。
年末年始の読み物として、ぜひご一読ください。
BtoBマーケティングを知るためのインサイト5選
1. マーケティング起点の企業変革で必須となる「変革ビジョンの具現化」とは?
企業変革への取り組みに関する議論では、しっかりとした構想さえあれば十分であるという誤解がしばしばみられます。企業変革においては通常、少数メンバーで全体構想を描きますが、その実現には社内のマジョリティーを巻き込まなければなりません。
大企業になればなるほど、新しい領域に挑戦するための大掛かりな変革を実施する際には、「コンサルティングのような“企画系”の組織」「機能・変革を主体的に実現する事業部などの“実行系”の組織」に社内が二分されます。
そのような状況下で、企業変革を実現させるためには「変革のビジョンの具現化」が極めて重要です。
こちらのインサイトでは、「新しい取り組みの構想段階(=探索領域)」から「構想が実現する段階(=深化領域)」の間を繋ぐ「構想の具現化」の重要性について解説しています。
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- 変革イメージの具現化について悩んでいる
2. 新規事業の創出で必要な「両利きの経営」をマーケティング視点で徹底解説
VUCA時代に生き残っていくため、イノベーション創出があらゆる企業で求められています。しかし、日本の大企業は既存領域の深堀には長けているものの、新しい領域には能動的に挑戦しづらいのが実情ではないでしょうか。
近年注目されている、企業変革を実行するための経営理論として「両利きの経営」があげられます。両利きの経営とは、新しい領域に挑戦する「探索」と、既存の事業領域を深堀りする「深化」をバランスよく行う考え方です。
このインサイトでは、企業が持つ「知(情報資産)」の探索・深化を両立させる両利きの経営の概要と、日本のBtoB企業がそれを実現させるための取り組みについてマーケティング視点で解説しています。
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- 「両利きの経営」を実現させるためのマーケティングについて知りたい
3. デマンドセンター構築を推進するフレームワークを解説
マーケティングプロジェクトにおいて、全体戦略を描いたものの、実行メンバーがついて来れずに「絵に描いた餅」に終わってしまう。あるいは、全体の絵が見えないまま枝葉の施策を積み重ねていくものの、成果が思うように出ないといった課題はしばしば発生します。
BtoBにおけるマーケティングへの取り組みは、まさにこの“全体構想”と“仕組み”が連動していない「戦略・実行の分離」現象との戦いです。
本インサイトでは、マーケットワン・ジャパンがクライアントと伴走していくにあたって、戦略から実行までを含めた持続可能な仕組みを支える機能「デマンドセンター」を構築するための独自フレームワークを、7つの要素で解説しています。
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4. 「インターナル・マーケティング」がマーケット・イン型の事業開発を加速させる
このインサイトは、長年議論されている「プロダクトアウト vs マーケットイン」の対比軸からはじまり、BtoB企業がマーケットイン型の取り組みを成功させるための「インターナル・マーケティング」について解説しています。
先を見通すことが難しい現代で、各社では新規市場の開拓や新規事業の創出が求められており、マーケットイン型の事業開発の重要性が高まっています。
ただし、マーケットインの事業開発では「顧客ニーズの理解」が必須となります。ニーズの把握にはマーケティングだけでなく、営業・製品開発なども含めて全社的なマーケティングへの取り組み・情報共有が求められるのです。
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5. いま、日本企業にマーケティングが必要な理由
近年、世界的な原材料費の高騰を受けて、消費財も含めたコストプッシュ型の値上げが続いています。
しかし、コストは上がるものの価格転嫁ができない構造から固定費を圧縮せざるを得ず、人件費が削られる状況に陥っています。つまり、「モノの値段は上がるが、給料が伸びない日本」の構図です。
価格転嫁を左右するカギとなるものは、マーケティングを構成する重要な要素のひとつである「価格設定」でしょう。
もちろん、適切な価格設定だけで、現在の日本の閉塞感が解消されるわけではありません。その状況を打破するために、これまで通りの努力を続けることはもちろん重要となります。しかし、それ以上に、これまでの常識や慣習に縛られず、新たなマーケティングへ取り組む必要もあるのではないでしょうか。
こちらのインサイトでは、マーケティング視点で「そもそも価格転嫁できない構造」「BtoBにおける価格設定の重要性とその難しさ」について考察しています。
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BtoBマーケティングTipsインサイト5選【実務担当者向け】
1. MA(マーケティングオートメーション)におけるメール配信を標準化するためのポイントを解説
BtoBマーケティングの実務担当が抱える代表的な悩みとして、「本当は戦略の企画・立案にもっとリソースを割きたいが、日々の業務に忙殺されてしまう」といったことがあげられます。
そういった課題に対する解決策のひとつが「業務の標準化」です。煩雑な業務を標準化することで、全体の生産性を高め、属人化を防げます。
この記事は、専任の担当者を設けずにメールを定期配信しているマーケットワンでの実例をもとに、MAを使ったメルマガ配信における「1.コンテンツの準備→2.配信プロセス→3.プロダクション(アセットの作成)」の3工程を標準化する方法を解説しています。
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- 日々のマーケティング業務の生産性を高めたい
2. なにがデマンドセンターの運用の妨げとなるのか?円滑な運用を達成するためのポイント
近年、多くの企業でセールスフォース社の提唱する分業体制が導入されるようになりました。
しかし、分業制は効率的なマーケティング・営業活動を実現するものの、マーケティング・各部門との連携を前提とした体制であるため、「組織間の壁」による課題や顧客の体験価値の低下を引き起こす可能性も孕んでいます。
では、そのような課題に対してどのように分業体制を構築していけばよいのでしょうか。
具体的な解決策は、マーケティング部門が全体を俯瞰する“司令塔”を置くこと。そのうえで、部門間のコミュニケーション体制の構築に代表される“情報連携が円滑に進む枠組み”を作ることです。
こちらのインサイトで論考されるのは、分業体制に向けた「デマンドセンター」の取り組みを最適化し、さらにアップデートするために必要な具体的な解決策と意識すべきポイントです。
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- デマンドセンターとしての一連の仕組みをしっかり機能させたい
3. リードスコアリングとは何か?基礎知識や方法論を解説
MA(マーケティングオートメーション)の主要機能のひとつとして「リードスコアリング」があげられます。顧客情報をスコアリングすれば、製品・サービスへの興味関心度や理解度に応じて、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
ただし、リードスコアリングは適切に行えば、営業活動で大きく成果を出せるものの、まずは正しい考えを社内に浸透させる必要があります。
「リードスコアリングとは何か」「それは、どのような設計思想なのか」について知りたい方は、こちらのインサイトをご覧ください。
記事をオススメしたい方
- リードスコアリングとよく聞くけれど、それが何なのかわからない
- リードスコアリングの使い方がわからない
4. 「ダークモード」対応は必須、メールマーケティングでユーザー離れを回避できる理由とは?
ダークモードとは、ディスプレイの表示色を暗い色調に変更する機能です。近年では目の負担軽減、デバイスのバッテリーの節約、コンテンツの可視性の向上などを目的に利用するユーザーが増えています。
これを踏まえると、キャンペーンメール配信は、ダークモード環境でも違和感のないUIが求められるといえます。
しかしながら、メールマーケティング担当者は、送信側の環境にのみ意識が向いてしまいがちです。いざ送ってみると「受信者の環境にまったく対応しておらず、UIを大きく毀損したメールを届けてしまう」といったケースは珍しくありません。
その結果として、ユーザーにメールは読まれず、そのまま離脱してしまうといった状況は往々にして発生します。
読み手の受信環境への配慮はメールマーケティングにおいてとても重要な要素です。
この記事では、「ダークモード最適化とは何か」「マーケティングにおいてなぜ重要なのか」について解説しています。
記事をオススメしたい方
- キャンペーンメール配信の質を向上させたい
- ダークモード環境への対応を未だに行っていない
5. BtoBマーケティングでデータ活用の起点となる「リードプロファイリング」の概念を解説
近年、BtoBビジネスシーンにおいても、MAやSFAを活用したデジタルマーケティングの導入が進んでいます。
「効率的な営業・マーケティング活動」「データの収集・分析」「ノウハウの蓄積」「リソースの最適化」など、デジタルマーケティングの導入に踏み切った企業は多くの期待を寄せていたことでしょう。
しかし、実際に運用を開始すると「部門間の連携がうまくいかない」「データが分析できるような品質でない」「そもそも必要なデータが取れていない」といった、理想と現実のギャップが生まれるケースは度々みられます。
このインサイトでは、デジタルマーケティング導入のメリットを最大化するために必要な「リードプロファイリング」について解説しています。
記事をオススメしたい方
- MAやSFAを活用するうえで必要なデータをしっかり取得したい