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インサイドセールスの成功率を上げるための仮説構築とは?

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はじめに

昨今は、顧客の購買プロセスの変化やリモートワークの普及などの影響により、顧客との接点構築の方法も変化しており、そのような状況に対応するためにインサイドセールスの機能を構築する企業も増えています。

インサイドセールスについて論じた前回記事『BtoB企業におけるインサイドセールスのあるべき役割とは?』では、インサイドセールスに関して「見込み顧客の需要を営業へ受け渡す役割」「その本質は情報の等価交換にある」とご説明しました。

インサイドセールスはBtoB領域においても受注確度を上げるための効果的な取り組みですが、一方で「インサイドセールスを自社に設置したものの、上手く機能しない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。実際、マーケットワンではテレマーケティングプロジェクト推進のサポートを行っていますが、ご相談いただく際に「アポイントを取得してもなかなか案件化や先の話に繋がらない」との声を頻繁に耳にします。

本稿では、そのような課題を抱えておられる方に向けて、インサイドセールスの成功率を上げるために必要な仮説の考え方についてご説明します。

 

なぜインサイドセールスが上手くいかないのか?

そもそも、インサイドセールスが上手く機能しない理由の多くは「アポイントを多く取得して、その先の案件化に繋げる」との間違った目標設定にあります。

もちろん、アポイントがなければ案件は生まれませんし、案件が生まれなければ売上げは上がりません。しかし、こういった構造に引きずられて「アポイントを何件取るのか?」との目標設定をしてしまうと、結果としてインサイドセールの担当者は“とにかくアポイントを取るためだけ”に電話をかけるようになります。

営業・マーケティング活動での顧客接点の構築においては、自社(プロダクト)視点だけではなく、顧客(ニーズ)視点を持つ必要があります。理想は、顧客の興味が高まっているタイミングでアプローチすることです。

アポイントを取るためだけに行われる「ご挨拶させてください」「数分でいいので話を聞いてください」などのアプローチや、数をこなすための標準化されたトークスクリプト1を作成し読み上げるようなアプローチは、自社視点だけに捉われた方法です。

顧客視点に立った場合、まだ製品・サービスに興味を持っているフェーズではないため、フィールドセールスが商談をおこなった際「なかなか商談が前に進まない」との状態に発展してしまいます。そもそも、本来のフィールドセールスの役割は受注の可能性が高い案件に優先的に取り組みクローズすることですので、受注確度の低い商談にリソースを割くのは極めて非効率と言えるでしょう。さらに悪い場合は、フィールドセールス担当者から「インサイドセールスのアポイントはなかなか案件化しないので優先順位を下げていい」となり、自社内に設置したインサイドセールスは機能しなくなります。

 

仮説構築がインサイドセールス成功のカギ

受注確度の見極めをするためには「顧客のインサイトを上手く聞き出せるかどうか」がポイントです。
しかし、顧客の悩みや置かれた状況を聞き出す際、自社視点にしか立っていない「御社の状況はどうですか?」といったオープンクエスチョンを投げかけるだけでは、なかなかインサイトを打ち明けては貰えないでしょう。

冒頭でもご説明した通り、インサイドセールスの本質は情報の等価交換にあります。つまり、顧客から情報を頂く以上、コールする側からも同等の価値がある情報を“お土産”として提供しなければならないのです。

ここで言う“お土産”とは「顧客の興味や抱える課題に対してどのような解決方法があるのか?」といった、顧客の状況に合わせたお役立ち情報になります。ただし、インサイドセールスは営業がフォローするほど関係性の深い顧客と接点を持つわけではないため、MAツール等で得られる以上の情報は持っていません。

そこで重要になるのが「顧客が何について興味があるのか?」「どこに課題を抱えているのか?」についての仮説構築です。

 

なぜ仮説構築が大切なのか?

仮説を立てるためには「何がわかれば顧客について“理解”できるか?」との前提に立つことが重要です。

「どういう業界なのか?」「売上や社員などの企業規模はどのぐらいか?」「製品のユーザー部門や選定部門はどこか?」「掲げているビジョンは?」など、横に展開して幅広い情報を集めなければ、適切な仮説を立てられません。

特に、自社が今までアプローチしていなかった業界を開拓しようとしているのであれば、インサイドセールスのための仮説構築の前提として、業界知識を把握していることは必須です。業界事情を反映したリアリティのある仮説構築ができれなければ、インサイドーセールスを行う際、顧客に対して“刺さる質問”はできないでしょう。

ただし、「○○業界はこういう課題がある」と言った大きなカテゴリーで仮説を立てることも重要ですが、すべての企業に当てはまる訳ではないことも踏まえておかなければなりません。企業によっては社内事情や置かれた状況が異なりますので、例えば「IR情報等から会社としての方針を読み取る」「グループ企業であれば、グループとしての方針等を調べる」のように、顧客ごとに個別の仮説立てを行うべきです。

業界の特徴や自社製品の特長、顧客が抱えがちな課題などの知識については、自社では営業担当者が最も知見を持っていますので、営業担当者との定期的なコミュニケーションを取っておくことも求められます。

立てた仮説が正しいかどうかの妥当性の判断についてですが、これは実際にアプローチを行うまでは判断できないのが正直なところです。しかし、もし事前に立てた仮説が間違っていて的を外した質問をしてしまったとしても、「ウチはそういった課題はないけど、実は〇〇なんだよ」とのように、何もない状態でオープンクエスチョンを投げかけるよりも格段に話が発展しやすくなります。

そういう意味でも、インサイドセールスではアプローチを行う前段階としての仮説立てが非常に重要となります。

 

おわりに

インサイドセールスが成功するかどうかは、事前にどれだけ業界知識・事情を調査して仮説を立てられているかに比例していると行っても過言ではありません。インサイドセールスでは、仕組みやツールの導入も非常に重要になりますが、インサイドセールス担当者の仮説構築から精度の高い質問を行うスキルも求められるのです。

マーケットワンでは「仮説構築のスキルを身に付けるための研修や定着支援」「インサイドセールスの実務を拝見した上での具体的なトーク内容へのアドバイス」といった、お客様企業内におけるインサイドセールスのスキルアップを図るサービスを提供しています。

自社のインサイドセールスに関して課題を抱えておられる方は、テレプロスペクティング技術に関するトレーニング – MarketOne をご参照下さい。


■注釈

  1. 話す内容や質問に対しての回答方法等が書かれた台本[]