Data and Analytics

BtoBマーケティングで膨大なデータを有効活用するポイントとは?

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はじめに

デジタルマーケティングツールを導入すると大量のデータが蓄積されるが、活用できるデータが増えるとは限らない 

多くの企業はイベントへ出展したり、営業マンが訪問先企業で名刺交換をしたり、Webサイトで顧客情報を入力させたりなど、様々な方法で情報を収集します。

こうして集められた情報の中には、データの整合性が取られていない場合があります。例えば「社名の表記がカタカナや英語などの入力になっているなど、統一されていないために同じ企業なのに別会社として登録されている」などです。 

複数のツールを利用することでデータの形式(データセット)が異なることも、データ統合を難しくさせる要因として挙げられるでしょう。バイヤージャーニー分析やROMI(マーケティングの投資対効果)の算出など、顧客分析を行うためには、こうしたデータの統合・整理への取り組みが不可欠です。 

 

問題部分を可視化する 

それでは、実際にマーケティングで活用するために、データを統合・整理するとはどういうことでしょうか。 

先ほどの例のように顧客の属性情報・顧客接点に関するデータは、別々のツール上に流入してきます。例えば、顧客の情報管理においては「マーケティング部門がマーケティングオートメーション(MA)」「営業部門がSFA」と棲み分けされているのが一般的です。 

一方で、ツール間で連携してもデータセットが異なっていると、同じ顧客データでもデータ連携が上手くいきません。データ統合・整理をする際のデータ連携の全体像に関して、マーケットワンでは以下のように図解しています。 

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上図を見ると、例えば、購買者データは様々なマーケティングツールやMAから提供されていることがわかります。このように収集したデータは、様々な形式となっていますので、データを統合・整理するための作業が重要かつ不可欠となるのです。 

 

データ整備までのステップ 

顧客情報や購買履歴など膨大な情報を抱えている企業において、マーケティングに有効な情報をどのように抽出し統合・整理すべきかについて、以下の視点で考えてみてください。 

1. システムからデータを抽出して分析する 

まずはシステムからデータを抽出し、手元にデータをダウンロードして分析してみます。マーケティングという側面では、MAとCRMから取り掛かることをお勧めします。 

データ抽出の際は、複数のオーナーにわかれるため、一人で実施しようとせず協力を仰ぐことが重要です。これらのデータにWebデータやERPの購買履歴などを突き合わせてみるのも有効な手段となります。データを見ていくうちに、購買パターンや顧客セグメントなど、すぐにマーケティングキャンペーンやリードスコアリングモデルに活かせる傾向が見えてきます。 

2. データベースを新しいマーケティング・営業機会の創出に活かす 

マーケティングが成功するかどうかは、購入者の行動を感知し適切なアクションを取るまでのスピードが重要になってきます。 そして、マーケティングを成功させるためには、実際にトランザクションで使用するシステム(MAやSFA)で、素早くデータ成型ができるかどうかが重要です。そのためには、以下の点に注意してデータを確認します。 

データの健全性:リードの流入ポイントに気を付ける 

リードの流入ポイント(リードソース)から流入するデータの種類・データ形式に注意を払うことが重要です 

  • 顧客の連絡先に入力漏れはないか? 
  • 自社のリードスコアリングやフォームの選択項目の規則に合わせて格納されているか? 
  • マーケティングや営業をする上で必要なデータは揃っているか? 
  • 顧客との接点情報が顧客分析に役立つ形で取得できているか?
    例)ソース:インバウンド vs アウトバウンド
      取得者:営業 vs マーケティング vs カスタマーサービス
      データレベル:企業 vs 部門 vs 個人 

これらは「顧客セグメント」とキャンペーンなどによる「顧客エンゲージメント」に区分されます。 

顧客セグメントに関してはこちらの記事で解説していますが、上記のデータレベルにある項目のように、営業とマーケティングが共通の理解を持って進めることが大切です。近年、ABMの施策を取り入れている企業も増えていますが、ABMを実行する上で、データの整備が一番の課題になります。 

顧客エンゲージメントの観点で強調したい点は、すべてのマーケティングのデータをパイプラインや売上と相関させようとするとミスリードが発生するため、注意しなければならないことです。 

顧客データを注視すれば、キャンペーンの改善なのか、リードナーチャリングの改善なのか、戦術を変更するのか、コンテンツを改善するのかが見えてくるでしょう。これらを包括的に見ることで、「誰に何をどのように届けるか」を改善できます。 

結果的に、このような地道な活動がマーケティングの効率性を上昇させるための近道となります。 

3. データは常に最新の状態にする仕組みを整える 

データは常に新しくアップデートされていなければならないため、常にデータを最新の状態に維持するための仕組みを整える必要があります。 

必要なタイミングで必要な情報をいち早く確認できるようにすることが、正しい意思決定のためには重要です。 

 

今こそ自社の「データ戦略」にスポットライトをあてる時 

マーケティングにおいては、最新のツールを導入する華々しさに比べて、「データの整備」は地道で日陰の存在と言えるでしょう。 しかし、ツールの導入・活用の成功のカギを握るのは、データの統合と活用プロセスなどのデータ戦略です。つまり、マーケティングの成功を決定づけるのは「データ」とも言えます。 

マーケティングやインサイドセールス、営業、カスタマーサポート(サクセス)と顧客接点の主体が分かれる中、部門を横断した「データ戦略」が非常に重要になります。定量データに基づく意思決定を行っていく上で、今一度自社のデータ戦略を確認することをお勧めします。 

 

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