Marketing Strategy

なぜABM(アカウントベースドマーケティング)は製造業と相性がいいのか?(1) - ABMがもたらす効果 -

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連載企画の背景 

今回から数回にわたり当社での実務経験と体験で得た知見をもとに製造業にとってのABM(アカウントベースドマーケティング)というテーマで連載をさせていただくことになりました。 

筆者の経験が壮大なテーマを語るのに十分かと問われると120%の自信があるわけではないです 

しかし、BtoB専業、グローバル、戦略実現のための設計、実装といった特徴をもつマーケットワンで悪戦苦闘してきた体験をもとに、アカデミックなあるべき論よりはリアルなビジネス経験を伝えられると思っております。 

特に製造業の皆様に「経営にインパクトを与えられるABM」を理解いただき、1社でも多くの企業が自社にとって本当に必要なABMを実現することに微力ながら貢献できればという想いから連載を始めようと思い立ちました 

あまり、堅苦しくない形で連載を続けていければと思っております 

 

自己紹介 

筆者はマーケットワンでシニアディレクターという役職についております。
自社のデジタル&コンサルティング部門の責任者、新規サービスの開発責任者、シニアコンサルタント、自社のマーケティング責任者など何足ものわらじをはいています。 

バックグラウンドとしてBtoB/BtoC企業のマーケティング・コンサルティングに15年以上従事して参り、日本初の音楽配信サービスの立上げ、大手製造業のグローバルガバナンスの強化、企業変革など数多くのコンサルティング業務を経験しました 

現在は多くの上場企業を対象に、グローバルマーケティング強化に向けたデマンドセンター構築を支援し、実践ステップ策定、プロジェクト管理まで幅広い実務に携わっております。 

ちなみに、マーケットワン入社後5年くらいは主にIT企業様向けに自社のサービスの営業も行っておりました。 

マーケットワンがBtoB専業、グローバル、戦略を基にした設計から実装までを担うデマンドセンターという非常に珍しいサービスを提供し、そのサービスの開発、販売、実行に携わってきた筆者だからこそ見えてくる視点で、製造業にとってのABMというテーマで連載をさせていただきます。 

 

なぜ製造業×ABMか?  

初めにABM(アカウントベースドマーケティング)という言葉を改めて一度確認させていただくと、ABMとは一顧客を市場と見立てた上で、アカウントの特性に応じた粒度の細かい戦略案を作成し実行していくマーケティング手法を指します。 

そして、なぜ製造業×ABMというテーマなのかというと理由は以降今後の連載で詳述しますがまず製造業特に完成品メーカー以外のいわゆる「生産財」を製造販売している製造業にとってABMというマーケティング手法、考え方は非常に相性が良いことがあげられるからです 

あわせて筆者の私見ですが、「ものづくり」という言葉に想起されるように多くの生産財の製造業にとって、設計開発し「作る(創る)」ことの方が、「売る」ということよりも重視されております。
そこで、より「売る」ことに注力しているIT企業と比べても、マーケティング(営業)含む領域の伸びしろが大きいと考えるからです。 

実際にある製造業の方とお話しした際、「弊社は技術力を売りにする製造業なので、初めから営業がやりたくて入社してくるような社員はほとんどいない」と話されていたことが記憶に残っています。 

メーカー、製造業という業種もそうですが、そこで働く社員の意識もやはり「売る」より「作る(創る)」方が強いというのが筆者の肌感覚です。 

だからこそ、製造業の方がABMというマーケティングを設計し実践できれば経営にきちんと貢献できる「成果」が大きく望めるのでないかと考えています

以上のような想いからテーマを選びました 

 

ABM3つの発展段階 

筆者が考える製造業にとってのABMの経営への貢献は、「市場のニーズの把握、先読みをして価値創造が可能な製品の開発、製造、販売を通して売り上げ、利益の向上に寄与」することだと思います。 

言うのは簡単なのですが、残念ながら実現するのはそれほど簡単ではありません。実現のためには少なくとも以下の3つの段階を通る必要があります 

  1. マーケティング単独として「市場とつながる 
  2. マーケティング+営業として市場が求める製品を正しい相手に売れるようになる 
  3. マーケティング+会社全体として市場の求めるもの、これから必要とされるものを作り売れるようになる 

 

最後に 

製造業の神髄はやはり製品を通した価値創造に尽きると思いますし、そのようなことを目指している人が多く集まっているのが製造業なのではないかと思います。 

既存の大企業と呼ばれる製造業は現在商売をしている既存の取引先、部署に対する価値創造はすでにできており、それが出来ているからこそ大企業と呼ばれるまでに成長してきました
しかし既存の取引先と共に成長してきた「今まで歩いてきた道」以外でも成長が必要です。
その方法がABMというマーケティング手法で実現可能となります。 

今回は今後の連載に対するテーマ紹介になりますので、次回より具体的なお話を出来ればと思います 

次回の連載は、ABMと普通のマーケティングは何が違うのか?ABMが成立する条件とはなにか、そこからひも解いていきたいと思います。